博多区役所の正面に位置するホテルの計画。敷地は宿泊料金の多種多様なホテルが乱立する一角の、もと本屋(文照堂という)であった場所。そこへ、「まだ見ぬビジネスホテルを」、という施主の言葉のもと、法的制約を有効活用した7㎡のダブルルームや、水回りを共用としたルームプランニング、街の流れを誘い込むようなオープンなエントランスなどを計画した。
客室は全26 室(定員76名) 、ダブル(定員2名/12 室)・ツイン(定員3名/4室)・フォース(定員4 名/10 室)の 3 タイプあり、水回りがあったりなかったりすることで、床面積とコストパフォーマンスの最適化を図った。
表層は、もともとそこにあったかのような、新築とリノベーションのちょうど中間的なしつらえを意識しながら、経年とともに美しくそだってゆくマテリアルで構成した。
また、宿泊者が本を持ちよることで、料金がお得になったり、蓄積された本がジャンルごとに部屋に所蔵されていったり、宿泊者を紡いでゆく、書籍によるやわらかいシステムも導入されている。
街と本に愛されながら、末永くつづくことを願ったホテルをめざした。

BUNSHODO HOTEL/博多のホテル 文照堂
BUNSHODO HOTEL
architecture interior 2020