深い森のなかに、ふわりと浮かび上がった、家具の窓辺のような輪郭をもつガラス質のロッジをつくる。
-「空間デザインコンペティション」という伝統的アイデアコンペに応募した共同作品。自然のなかにガラスのロッジを提案することがテーマであった-

窓辺の輪郭
outline of Windowsill
outline of Windowsill
深い森のなかに、ふわりと浮かび上がった、家具の窓辺のような輪郭をもつガラス質のロッジをつくる。
-「空間デザインコンペティション」という伝統的アイデアコンペに応募した共同作品。自然のなかにガラスのロッジを提案することがテーマであった-
建築におけるガラス質は窓ガラスに代表されるように、不透明な素材に囲われている。そして、壁に開けられた窓ガラスをつぶさないように、家具を配置することがほとんどだ。 しかし、自然のなかに建つ場合、そのような建ちかた、配置のしかたは、その不透明な素材による輪郭の力強さゆえに、豊かな景観を汚してしまうだろうし、窓のそばに置かれた椅子にすわって眺める景色はトリミングされていて、ちいさく遠い。
そこで、森の樹々を包みこむように、全身をかぎりなく透明に近いガラス質で囲った、隅のないおおきなロッジを考えた。ロッジにある家具や照明は、壁に窓をあけるように、壁面に添いながら弧を描いて配置し、真ん中には箱庭のような森をつくる。ロッジの際では、旅人がくりひろげる窓辺の生活が、輪郭をいろどり、ロッジの中央では、凛と静まりかえった樹々が、窓辺を絶えず見守っている。
森のベールをまとった家具と、家具のベールをまとった森。 それをやわらかく包みこむガラス質のなかで旅のひとときを憩おうと、ドアを開ける音がした。
-第15回空間デザインコンペティショ”自然のなかのロッジに生きるガラス質”に応募した共同作品-
優秀賞受賞
審査員長:北川原温