Mansion of nude/屋形原の共同住宅

Mansion of nude

architecture house   2020

Mansion of nude

戸建住環境形成地区での集合住宅のあり方。「外部環境(駐車場)」と「共用廊下」をキーワードに、果物の皮を剥ぐように、戸建の連なる「マンション」の在り方について考えた。

●永く空き地だった場所で

戸建かつ低層高密度な住環境がつづく街並みに1300㎡ほどの空地が手付かずに残ってある。建主は先代から受け継いだ雑草の生い茂るこの土地を持て余したまま、土地の有効活用を模索していた。一方で福岡市の「戸建住環境形成地区」に位置するため建蔽率40%/容積率60%と、非常に収益化しにくい土地柄でもあった。 月極駐車場や分譲住宅など多方面に検討していくなか、木造賃貸の集合住宅を11棟建築することに事業性が見込まれた。

計画を左右する与件として、庭付メゾネット戸建、戸数分の駐車場、同一プラン同一形状、があった。一見すると長屋形式が順当に思われたが、前面道路がひとつで三方を隣地に囲まれている敷地上、長屋では福岡市の条例上、玄関を出て道路まで幅員4mの避難経路が必要であり、収益化できない面積が大きくなってしまう。結果として基準法上の「共同住宅」として成立させることが本敷地での大きな課題となった。

●果物の皮を剥ぐように

共同住宅では、専有部/共用廊下/外部が断続されることが多い。一方で長屋には共用廊下の概念がなく、専有部/外部となっていて、戸建に近い環境が成り立つ。 共同住宅の共用廊下は容積算定面積からも免除されるため、共用廊下と外部環境の関係を考えることで、長屋に近しくも新しい共同住宅の環境ができるのでは、と考えた。 そこで、法の解釈に準じながらも、共同住宅の「共用廊下」をないものとし、外部環境に浸透させようとした。また、果物の皮を剥ぐように、専有部を外部環境に露出し、アイコニカルなファサードとなることで、アパートやマンションに見られる「共用部」とは異なる、共用空間をつくろうと考えた。

●はだかの共同住宅

具体的には、住戸を隣地境界側に寄せ、ぐるりと配置し、駐車場を中央広場のようなおおきな庭に見立て、各住戸出入口が駐車場からダイレクトにアクセスできるようにした。加えて2階のボリュームを駐車場側へ迫り出し、下部を軒のある共用廊下とし、広場を縁取るように包みませた。そこでは、共用廊下と外部環境が浸透し合い、廊下のような、広場のような場を形成し、外部環境から連続して専有部まで辿れるようにした。各住戸にはプライベートな庭も併設させ、共用部を含めて、敷地全体を賃借しているような感覚を得るよう配慮した。

また、マンションの外皮を剥ぎ取ったような同一形状の個々の専有部を露出させ、連結させた。前述したアイコニカルな戸建の立ち並ぶファサードは、ローコスト規格、工期短縮、差のない販売方法を遵守するための指針であったものの、戸建住環境形成地区に馴染みながらも、群として連弾することで、低層で高密度な風景をいつもと違う眼差しで更新しているようにも見えてくる。

戸建のように振る舞い、長屋のように外部環境と連続して住まう、戸建と長屋のあいだ、のような共同住宅をめざした。

 

 

 

data

タイトル
Mansion of nude/屋形原の共同住宅
建主
株式会社ミヒロ
計画地
福岡市南区
種別
新築
主要用途
共同住宅
規模構造
木造2階建
敷地面積
1317.17㎡
延床面積
727.94㎡
施工
株式会社のあ建築設計
協力
構造設計 (黒岩構造事ム所)
設備設計 (RISE設計室)
写真
生熊 智
title
Mansion of nude
client
mihiro co, ltd
site
fukuoka city
program
mansion
scale
wood/2F
site area
1317.17㎡
floor area
727.94㎡
builders
noa
partner
structure design (kuroiwa yuki)
machine design (rise design)
photo
ikuma satoshi

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