玉川町の美容室 osage

hair design osage

interior   2019

MA

夫婦で営むちいさな美容院の計画である。

昨今、福岡市中心部は人口増加に伴い、小洒落た路面店も増えているが、その結果、中心部に、魅力的な空きテナントが少ない。そのエリアから同心円状にひろがりをみせ、開業を始める店舗も中心部からすこしずつ南下し、賑わい始めている。街ごとに特色のある店舗がひしめくような状況もそう遅くはないだろう。

敷地は、福岡市南区高宮。中心から沿線沿いに3駅、駅前の好立地に建つ、昔ながらの4軒長屋の1区画。もともとは30年以上にわたり、スナックが街の賑わいに一役買っていた。改修費用も限られていたため、ゆっくりと解体していきながら、再利用できるものを吟味しながら設計を考えることとした。

大工の手で剥がされた仕上げの下、月日を帯びた鉄骨や木ずりは、偶然にも良好な状態で現れた。それら下地は、もともとそんな仕上げだったかのように、スナックだったころのタバコに燻らされ、ほんのりと燻製のような趣であった。これはこの場所の風景の源であり、どこにもない風景をつくる手がかりである。

そこで、できる限りその下地を「仕上げ」とし、「装飾/備品」とされるものたちを「仕上げ」と捉え直し、「下地/仕上げ/装飾/備品」の境界を曖昧にすることを考えた。すべてを等価に扱うことで、不必要な重複を避けることができ、コスト削減にも繋がる。

仕上げのように面を覆い尽くすカーテンは、髪の毛を結うように日々移ろう、カタチのない仕上げである。美容鏡、点在する鉢や植物、照明は、仕上げと装飾のあいだを往来するように、もともとそこにあったかのようなしつらえとした。インテリアの計画においても、敷地環境を読み解き、原風景に対しての手続きを考えることが、この地で永く続いてゆく店舗のちいさな支えになると考えている。

 

data

タイトル
玉川町の美容室 osage
建主
個人
計画地
福岡市南区玉川町
種別
内装改修
主要用途
美容院
規模構造
鉄骨造2階建
延床面積
52㎡
施工
飯尾建設株式会社
協力
カーテン (fabricscape)
鉄骨階段 (福岡総建)
照明 (株式会社モデュレックス)
写真
イクマ サトシ
title
hair design osage
client
private
site
fukuoka city
type
intelior
program
hair salon
scale
steel structure 2F
floor area
52㎡
builders
iio construction company
partner
fabric (fabricscape)
steel stairs (fukuoka soken)
light (Modulex)
photo
satoshi ikuma

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